外国人観光客を店舗へ呼び込むコツ!ウェブを活用したインバウンド対応

訪日客をWeb施策で集客する方法

日本を訪れる外国人観光客の集客には、ウェブを活用した戦略的アプローチが不可欠です。効果的な対策には、ターゲット国ごとの訪日客の特性を把握し、それぞれの情報ニーズに合わせた広告媒体の選定とランディングページの作成が重要です。

本記事では、訪日客の特徴、自社で実践できる対策、そしてSNSや地図アプリ、広告を使った効果的な情報発信方法を詳しく解説します。各国のオンライン行動を理解し、外国人観光客の来店数を増やすためのコツをご紹介します。

目次

ターゲットを明確にするため訪日外国人の国籍について考える。

現状の訪日客(ターゲット)を調査する
2023年の訪日外客の各国の割合についてはこちらになります。

2023年の訪日外客の各国の割合

【2023年の全国訪日外客数

  • 韓国 28%
  • 台湾 17%
  • 中国 10%
  • 香港 9%
  • 米国 8%

アジア圏では韓国、アジア県外ではアメリカからの訪日客が多い傾向
参照:訪日外客統計|JNTO(日本政府観光局)

都道府県によっても傾向が代わります。

【例:青森県の場合】
平成31年1月~令和元年12月 の青森訪日外客数

  • 台湾 36%
  • 中国 19%
  • 香港 10%
  • 韓国 8%
  • アメリカ 7%

参照:青森県庁ウェブサイト:青森県観光入込客統計(PDF)

サービス、業種によって店舗への訪日客の割合が変わるので、実際に店舗を訪れる外国人客の情報を把握することが重要です。単に「外国人」という大枠だけでなく、具体的にどの国からの訪問者なのかまで記録しておきましょう。
この詳細な情報は、今後のマーケティング施策を立てる上で非常に有効です。ぜひ、来店する外国人客の国籍を調査できる体制を整えてください。
見た目や購入情報だけでは、国籍を取得することが出来ないので、店舗で把握する工夫をすることが大切です。

外国人客の店舗での調査方法について

以下のような方法が考えられます

  • アンケート調査:来店時に簡単なアンケートを実施し、国籍を尋ねる。
  • 予約システムの活用:オンライン予約時に国籍情報を入力してもらう。
  • スタッフによる観察と記録:接客時に自然な会話の中で国籍を確認し、記録する。
  • 多言語対応のタブレットやアプリの使用:来店時に簡単な質問に答えてもらい、国籍情報を収集する。
  • ポイントカードやメンバーシップ登録:会員登録時に国籍情報を収集する。

これらの方法を組み合わせることで、より正確で包括的な情報を得ることができます。重要なのは、お客様のプライバシーに配慮しながら、自然な形で情報を収集することです。

各国の訪日外国人の特徴について

各国の旅行者には、観光情報の収集方法や旅行スタイル(ツアーか個人旅行か)、使用する検索エンジンやSNSに特徴があります。ターゲットとなる国の訪日客の特性を把握していないと、マーケティング施策を実施しても期待した反響を得られない可能性があります。そのため、ターゲット層の特徴を理解することが重要です。以下に、各国の特徴の一例を示します。

スクロールできます
言語オンラインの情報源利用しているSNS検索エンジン
アメリカ英語1. トリップアドバイザー
2. YouTube
3. トラベルアンドレジャー
4. ナショナルジオグラフィック
5. Facebook
Facebook、Instagram、 TwitterGoogle、Bing
台湾中国語(繁体字)1. YouTube
2. Facebook
3. バックパッカーズ
4. ピークーバン旅遊
5. LINE
Facebook、LINE、InstagramGoogle、Yahoo奇摩
中国中国語(簡体字)1. シートリップ
2. ティックトック
3. WeChat
4. Weibo
5. Xiaohongshu
WeChat、Weibo、Douyin百度(バイドゥ)、好捜(ハオフー)
香港中国語(繁体字)、英語1. YouTube
2. Facebook
3. Go!Japan
4. U magazine
5. Instagram
Facebook、Instagram、 WhatsAppGoogle、Yahoo香港
フランスフランス語1. ルタール
2. トリップアドバイザー
3. ナショナルジオグラフィック
4. YouTube
5. ジェオ
Facebook、Instagram、TwitterGoogle、Qwant

参考:日本政府観光局(JINTO)(PDF)など

近年、YouTubeなどの動画メディアを情報源として利用する人の割合が増加しています。SNSに関しては、世界的にみるとFacebookが依然として高い人気を誇っています。しかし、中国のように国によって主要な情報源が大きく異なる場合もあります。そのため、訪日前のマーケティングを効果的に行うには、ターゲット国を明確に定め、その国の事情に精通した専門家に相談することが望ましいでしょう。

訪日外国人、インバウンド集客に関するWeb施策について

訪日客の情報接触:来日前から滞在後まで

まず、訪日前、来日後、来店・滞在中にどのような情報に触れ、どのような行動を取るかを見ていきたいと思います。訪日前の対策は自社で行うことが難しい一方、来店後にユーザーから高評価を得られれば、SNSでの拡散や口コミ等から認知が拡大し、後々訪日前の認知にもつながると考えています。そのため、まずは自社でできる範囲として、来日後と来店時に絞った取り組みを検討できればと考えています。

来日前から滞在中にかけて触れる情報
来日前から滞在中にかけて触れる情報

来日後:オンライン情報から店舗来店までの流れ

来日後、訪日客はオンライン上で地図アプリや路線検索を使用し、移動手段や目的地の情報を探します。地図アプリでは、キーワード検索によってお店の情報が表示されます。このとき、上位表示や多言語対応が重要です。まずは、Googleビジネスプロフィールのグローバル対応を最低限行っておくべきでしょう。また、位置検索、SNS、アプリ等の店舗情報に関しては、日本国内での知名度は低くても、その国では人気のあるサービスも多いため、できるだけ多くのサービスに対してMEO対応することをお勧めします。

さらに、検索エンジンで情報を探す際に広告を出すことで、認知度を高め、来店を促すこともできます。その際、受け皿となるWebサイトには、お店の紹介やアクセス情報等を掲載したグローバルサイトを準備しておきましょう。

主なウェブ施策

Googleビジネスプロフィールのグローバル対応について

Googleビジネスプロフィールのグローバル対応には、言語設定に応じて自動翻訳される部分と翻訳されない部分があります。自動翻訳される箇所はその国の言語で表示されますが、翻訳されない箇所は英語の併記が必要となります。ビジネス名については各言語で個別に設定できるため、対象国ごとに適切な言語設定を行ってください。

自動翻訳される箇所について

  • 住所 ※番地以下(ビル名など)は翻訳されません
  • 営業時間
  • 口コミ
  • 詳細(サービス情報)

自動翻訳されない項目

  1. ビジネス名
  2. 住所の番地以下(ビル名など)
  3. ビジネスの説明
  4. 商品(商品カテゴリ)
  5. 最新情報
  6. サービス

ビジネス名の各言語対応について

  1. 「メニュー」を選択
  2. 「言語」を選択
  3. ビジネス名を登録したい国の言語を選択
  4. 選択した国の言語表示に変更される。「Suggest an edit」を選択
  5. 「Change name or other details」を選択
  6. 「Place name in English」に英語名を入力
  7. 「Submit」を選択して完了
ビジネス名の各言語対応について

店舗情報の登録:MEO対策、位置検索、SNS、アプリについて

店舗情報は様々な位置情報サービスに登録されています。各国で人気のあるサービスが異なるため、多様な媒体への登録が推奨されます。

主な媒体例として以下が挙げられます:

  • Googleマップ
  • Appleマップ
  • Facebook
  • Instagram
  • Foursquare
  • TripAdvisor
  • Waze

これらの媒体の店舗情報を一括管理できるサービス「Yext(イエクスト)」の導入により、一元管理が可能となり、管理コストの削減を図ることができます。導入をご検討の際は、お気軽にご相談ください。

グローバルサイトのLP制作

日本語サイトと同じボリュームで全て多言語対応する必要はありません。訪日外国人が求める情報に絞って、効果的な内容を掲載しましょう。店舗の種類によって異なりますが、以下の要素を含めると良いでしょう

  • 言語:お客様の国籍に合わせて検討する
  • ビジュアル写真:お店の雰囲気を伝える
  • 多言語でわかりやすいキャッチコピー
  • お店の紹介文:どのような店舗かを簡潔に説明
  • おすすめ商品や目玉製品の紹介
  • 店舗情報:アクセス方法、営業時間など

これらの要素を組み合わせることで、訪日外国人にとって魅力的で情報価値の高いランディングページを作成できます。

グローバルサイト構成案
グローバルサイト構成案

インバウンド広告について

訪日後の外国人観光客向けにSNS広告やGoogle広告を展開します。ターゲット国で利用率の高いプラットフォームを選択することが重要です。中国を除けば、Google広告、Facebook、Instagramが主要な媒体となります。

広告効果の測定も慎重に設計する必要があります。実際の来店数の計測は困難なため、まずはランディングページへの流入数を指標とし、クリック数の最大化を目指すことをお勧めします。

同時に、店舗側でも広告配信期間中のインバウンド顧客の増減をリアルタイムで把握できる体制を整えておくことが大切です。これにより、広告効果をより正確に評価できるでしょう。

店舗側でできる対応について

上記でも述べてきましたが、店舗側で行う対応も重要です。
インバウンド施策で訪れた外国人観光客に満足いただけるおもてなしができれば、その後口コミやSNSで情報が拡散され、訪日前の観光予定客への認知につながります。例えば、海外の雑誌や旅行代理店に取り上げてもらえれば、一気に認知度が広がる可能性があります。そのため、できることは積極的に取り組むとよいでしょう。

考えられる対応例:
・TAX FREE:訪日客にメリットのある情報の提示
・Googleビジネスプロフィール最適化
 - 店舗名のグローバル対応
 - 未翻訳箇所の併記対応など
・チラシ:店舗内のグローバルチラシ作成
・店舗:訪日外国人の国別売上管理
・来店後:口コミやSNS投稿拡散を促す仕組みづくり

まずは、店舗とWebサイトで訪日外国人の受け入れ体制をアピールし、将来的には訪日前からも認知いただけるよう、現地情報サイトや旅行代理店への掲載につなげていく取り組みを行いましょう。

インバウンド対応を本格的に行いたい店舗様へ

Googleビジネスプロフィールの最適化、グローバルサイトの作成、インバウンド広告の出稿など、bran合同会社でトータルサポートが可能です。ぜひお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

和泉 彰悟のアバター 和泉 彰悟 Planner・Director

15年間にわたるWeb制作経験で培った、多様な業界におけるWebサイト制作・運用の実績をもとに、クライアントの課題解決に貢献します。お客様一人ひとりの目標達成を全力でサポートいたします。特に、中小企業のWebマーケティング支援に注力し、限られた予算で最大限の効果を発揮できるよう、最適なWeb戦略をご提案します。
2021年に設立したbran合同会社では、専門知識を活かし、お客様のビジネス課題の解決を支援しています。

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